20年前の「プリウス」を覚えていますか?
30年間で「自動車」はこんなに変わった〈前編〉
■2倍の燃費を達成、プリウスが与えたインパクト
1997年10月14日、ついにプリウスの量販車発表会が行われた。「21世紀に間に合いました」というキャッチコピーを覚えている人も多いだろう。
量産化されたトヨタハイブリッドシステム(THS)のスペックは衝撃だった。そのとき発表された燃費は28km/l(10・15モード)。当時のトヨタの主力車種、カローラの燃費が14km/Lだから、2倍の燃費を達成したこととなる。同時に排気ガスに含まれるCO2(二酸化炭素)の排出量は約1/2、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)およびNOx(窒素酸化物)は規制値の約1/10に抑えた。
流れるようなスラントノーズを持ち、未来的なスタイリングも話題をさらった。215万円という車両価格は、まったく新しいテクノロージーを搭載したモデルとしては手頃感があり、最初の1カ月で目標の3倍以上となる3500台を販売。その後もマイナーアップデートが施され、初代モデルは最終的に31.0km/lもの燃費を実現し、その地位を不動のものとした2代目へと世代交代されることとなる。